タイ在住32年になります、シニアライフビギナーです。
今日、会社のとある会議で、
『うちのITスタッフがどんどん辞めちゃって💦』
と悲痛な叫びが聞こえてきました。
タイに大型のデータセンターが進出する話しもあって、タイ人システムエンジニアの流出は今後の大きな課題であることは間違いありません。
『ただ、離職問題は会社横断的な課題ですよねぇ。モチベーションアップの工夫もまだまだ足りてないかも・・』と誰かが発言。。
会議室はしーん・・・
先日、早朝ウォーキング中にスマホに流れてきた↓こんなフレーズをふと思い出しました。
でも、本当に「育たない」のか?
育たない方に非があるようにも聞こえますが、
実は、「人が人を辞めさせている」のかもしれませんよ?

結構インパクトのある問いかけで、思わずウォーキングの足が止まりました。
「ひょっとして、自分もその一人?」
”育てられる側”にも往々にして課題はあるものですが、今日は取り合えず育てる側についてです💦
たとえば、
- 失敗を許さない空気の漂う職場
- チャレンジにも消極的で刺激を感じない退屈な職場
- 成果だけを急かす文化
- 相談しにくい雰囲気
- 愚痴やネガティブなことばかり言う上司
そんな職場では、どんなに意欲のある人でも、やる気を失くしたり心が折れてしまいますね。
松下幸之助さんは、かつてこう言っています。
製品づくりよりもまず人づくり。
人が育てば、結果としていい製品も生まれ、会社も成長する。
そんな揺るぎない信念が、松下電器の礎を築いていったのですね。
また、松下幸之助氏は「失敗」についても、とても寛容だったそうです。
たとえば、社員が大きなミスをしてしまったとき、怒るのではなく、こう声をかけたそうです。
失敗を責めるのではなく、学びと捉えて応援する。
そんな姿勢が、人を伸ばし、会社を強くしていったのでしょう。
人が育つには、時間も失敗も必要。
大切なのは、支え、信じ、待つことでしょうか。
「最近の若い人は続かない」と感じたときこそ、育つ土壌を、私たち自身がつくれているか??
静かに振り返るチャンスなのかもしれません。

私の会社では、人材育成にはそれなりに力を入れておりまして、会社の敷地内に、3階建てのトレーニングセンターを構えています。
ハードスキル、ソフトスキル、最近ではDXと、幅広くやってはいますが、一方的で、機械的な教え方になっていないか、教材のクオリティーは大丈夫か、、棚卸しが必要かもしれません。
なお、「トレーニングセンター」という名前は、どうしても「訓練」「指導」「上から教える」みたいな硬いイメージが出やすいので、「ノーリッジセンター(Knowledge Center)」に改名しようとしています。
理由は、
- 知識を学び合う場所
- 成長を支援する場所
-
自主的に学びたくなる雰囲気
「社員も会社も一緒に育っていく場所」って、ちょっと古臭くて、ここタイではねぇ?とも思いますが、日系企業のよきDNAでもあります!

人生のキャリアラダーは、結局は、自分で決めて、自分の力で登っていくものですが、彼らに、先人の知恵や教訓、そして自分の経験を効率よく伝えていく仕組みづくりも必要だと改めて思います。
先輩の背中を見て育ってる場合ではない時代ですね💦
ただし、形は様々ですが訓練に対する成果 (KPI/KGI)は容赦なく求めます!
志半ばで消えていく人もいますし、ここタイの社会も競争は厳しいです。
それでは、明日もいい日でありますように!
Have a Nice Day!

【参考;タイの離職率】
2024年現在、タイにおける産業別の離職率に関する詳細な公式統計は限定的ですが、いくつかの業界における傾向や要因が報告されています。
以下に主要なポイントをまとめます。
タイの全体的な離職率
2023年のタイ全体の離職率は14%で、2022年の15.4%からやや減少しました。
これは、経済の不確実性や転職リスクの増加により、従業員が現職に留まる傾向が強まったためと考えられます。
業界別の離職傾向
① デジタル・IT業界
デジタル関連職種(IT開発者、デジタルマーケティング、データサイエンティストなど)は、離職率が約20%と高く、他の業界を上回っています。これは、高い需要とスキルの競争、キャリア成長の機会を求める動きが影響しています。
② 製造業
製造業では、工場の閉鎖や競争力の低下により、離職率が上昇しています。2023年から2024年にかけて、約2,000の工場が閉鎖され、5万人以上の労働者が職を失いました。これにより、製造業の離職率は25.5%に達しています。
③ 小売・卸売業
小売・卸売業では、離職率が32.9%と高く、従業員の定着が課題となっています。これは、業界の競争激化や労働条件の影響と考えられます。
④ 金融・銀行業
金融・銀行業界では、離職率が19.8%と報告されており、他の業界と比較しても高い水準にあります。これは、業界の変革やキャリアパスの多様化が影響している可能性があります。
離職の主な要因
タイにおける離職の主な要因として、以下が挙げられています:
- 過重労働:従業員のストレスの主な原因であり、離職率の上昇に寄与しています。
- キャリアの停滞:昇進やスキルアップの機会が限られていることが、離職の動機となっています。
-
職場の変化への対応:急速な技術革新や業務の変化に適応できないことが、従業員の不満を招いています。
まとめ
タイにおける離職率は業界によって大きく異なり、特にデジタル・IT業界や製造業、小売業で高い傾向が見られます。企業は、従業員のストレス軽減やキャリア支援、柔軟な労働環境の提供など、離職防止のための戦略を検討する必要があります。