【地震への備え!】タイでは見たことがなかったポスターです!

タイでの生活

タイ在住32年になります、現役サラリーマンのシニアライフビギナーです。

今年3月28日に発生したミャンマー大地震(M7.7)の揺れは、ここバンコクにも伝わり、殆どの都民は初めて経験する地震※1の揺れにとても怖い思いをしたと思います。
【ミャンマーの大地震(M7.7)。タイでも大揺れでした!】この規模の揺れは史上初?

↓これは、先週、私の会社のイントラネットに掲載した”地震への備え”です。
”災害は忘れた頃にやって来る※2”の教えに従い、社員へのリマインダーです。
私はタイに32年住んでいますが、このようなお知らせを掲載するのは初めてのことです。

そんな中、アパートからも、↓こんなチラシが配布されてました。
ドローンを使って、3月の地震による被害を再度検査するようです。
8月頃、専門家による内部検査が終わり、『建物の健全性に問題なし』との報告でしたが、今回は、念の為の追加検査のようです。

タイは、地震が滅多にない国なのですが、歴史をたどってみると、↓こんな感じです。
2004年のスマトラ地震ではタイでも大勢の人が亡くなりましたが、この時に残った記憶は”津波”の恐ろしさだけでした。

※1 2025年までのタイの地震の歴史(まとめ)

タイは、日本のように主要なプレート境界の真上に位置していないため、地震活動は比較的活発ではありません。しかし、国内の活断層による直下型地震のリスク、そして周辺(特にミャンマーやスマトラ島沖)で発生する巨大地震による「津波」と「長周期地震動」という、異なる種類の深刻なリスクを抱えています。
2025年現在までに、タイの近代史において特に重大な影響を与えた地震災害は、以下の通りです。

1. 2004年 スマトラ島沖地震とインド洋大津波

タイの近代史上、最も壊滅的な被害をもたらした自然災害です。

  • 発生日時: 2004年12月26日
  • 震源: インドネシア、スマトラ島沖 (Mw 9.1〜9.3)
  • タイへの影響:
    • タイ国内での地震動による直接被害はほぼありませんでしたが、この巨大地震が引き起こした大津波が、アンダマン海沿岸(プーケット、パンガー、クラビなど)を襲いました。
    • タイ国内だけで死者・行方不明者は8,000人を超え(外国人観光客を含む)、沿岸部のリゾート地や漁村に甚大な被害をもたらしました。
    • この出来事は、タイにとって最大の地震災害リスクが「津波」であることを決定づけ、国家的な津波早期警戒システムの整備につながりました。

2. 2011年 ミャンマー・シャン州地震

タイ北部の地震リスクを再認識させた地震です。

  • 発生日時: 2011年3月24日
  • 震源: ミャンマー東部(タイ国境付近) (Mw 6.8)
  • タイへの影響:
    • 震源が国境に近かったため、タイ北部のチェンライ県などで強い揺れを感じ、建物の一部損壊などの被害が発生しました。

3. 2014年 チェンライ地震

タイ国内(陸域)で発生した地震としては、近代観測史上、最も大きな被害をもたらした地震です。

  • 発生日時: 2014年5月5日
  • 震源: タイ北部 チェンライ県 (Mw 6.3)
  • タイへの影響:
    • タイ国内の活断層(パヤオ断層帯)が活動したことによる直下型地震でした。
    • 震源が浅かったため、チェンライ県を中心に死者1名、負傷者多数のほか、有名な「ワット・ロンクン(ホワイト・テンプル)」が損壊するなど、多くの建物やインフラに被害が出ました。
    • タイ北部が地震の危険地帯であることを国内に強く印象付けました。

4. 2025年 ミャンマー大地震(バンコク高層ビル倒壊)

タイの地震史における歴史的な転換点であり、首都バンコクにとって最大の脅威が「長周期地震動」であることを証明した地震です。

  • 発生日時: 2025年3月28日
  • 震源: ミャンマー中部(マンダレー近郊) (Mw 7.7)
  • タイへの影響:
    • 首都バンコクでの被害: 震源から1,000km以上離れているにもかかわらず、地震の揺れのうち、ゆっくりとした大きな揺れ(長周期地震動)が減衰せずにバンコクまで到達しました。
    • 高層ビルの倒壊: この特有の揺れにより、バンコク都内で建設中の高層ビルが倒壊し、多くの作業員が犠牲になるという、タイの歴史上初めての事態が発生しました。
    • 広範囲な影響: 他の多くの高層ビルやコンドミニアムでも壁の亀裂や内装の破損が相次ぎ、BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)も一時全面運休するなど、首都機能が麻痺しました。
    • 歴史的意義: 2004年の津波が沿岸部の脅威であったのに対し、2025年の地震は、遠隔地の地震であっても「長周期地震動」によって首都バンコクの中心部が壊滅的な被害を受け得ることを示しました。

まとめ:タイの地震リスク

2025年までの歴史を振り返ると、タイが警戒すべき地震災害は、以下の3つに整理されます。

  1. 津波のリスク(アンダマン海沿岸): 2004年に実証された最大の脅威。スンダ海溝の巨大地震に警戒が必要です。
  2. 直下型地震のリスク(タイ北部・西部): 2014年のチェンライ地震が示す通り、国内の活断層による局所的な強い揺れへの備えが必要です。
  3. 長周期地震動のリスク(首都バンコク): 2025年の経験により、ミャンマー方面などの遠隔地で発生した巨大地震が、地盤の軟弱なバンコクの高層ビル群を直撃する、という新たな脅威が明確になりました。
※2「災害は忘れたころにやって来る」――この有名な言葉は、物理学者の 寺田寅彦(てらだ とらひこ) の言葉です。
寺田寅彦(1878–1935)は夏目漱石の弟子でもあり、随筆家としても知られています。彼は地震や自然災害に関する科学的な洞察を持ちつつ、人間の記憶や心のあり方についても深く考察していました。
この言葉は、昭和初期に書かれた随筆『天災と国防』の中での主旨をもとに広まったものです。正確にはこの文章そのものが直接の引用ではなく、寺田の主張を要約した形で「災害は忘れたころにやって来る」と広く使われるようになりました。
つまり、人は時間が経つと災害の恐ろしさを忘れてしまい、備えを怠る。しかし、自然は人の記憶などおかまいなしに再び襲ってくる――という警鐘の言葉です。

★ 東京消防庁=地震に対する10の備え

来週から日本に一時帰国です。
特に日本は地震の多い国ですので、日頃の備えだけは徹底したいと思います。
それでは、いい日でありますように!
Have a Nice Day!