アイキャッチの写真は、とある温泉にあった公衆電話。さすがにこんなに古いタイプの電話機は記憶にありませんが、ダイアル式の黒電話は会社や家にありました。
↓これは、私のコレクションの一部です。
左側は、最近のものでちゃんとしたダイアル式できますが、中身はデジタル。
右は、骨董市で入手した昭和40年5月製のものです。
何と私の妻と同い年!
早速、中を覗いてみます。
このダイアルは、これまで何回まわされたのか?
「かけた相手は一体どんな人達だったんだろう?」とか思いながらそっと外します。
ダイアルの文字盤です。
この数字ですが、しっかり印刷されていて、安っぽさを感じません。
下の写真はダイアル盤の裏側。
ダイヤル式の信号は、0から9までの10の数字を電気信号に変換。
ダイヤルを回すと、数字に応じた回数だけ直流電流を流します。これがパルス信号です。
例えばダイヤルの「1」を回すとパルスが1個送られ、「9」を回すと9個送られ「0」の場合は、10 個のパルスが送られるようになっています。
この信号を交換機が読み取ることで電話番号を受信します。
分解していて気付いたこと、それはネジ止めのトルク管理がしっかりされていること。
それと、使われている部品一つ一つがとても頑丈に高精度に仕上げられているということです。
1965年の時代は、既に製造ライン毎の組立マニュアルや、品質管理基準がそれなりにしっかり整備されていたのだと思います。
↓左側の部分がベルです。電磁石の力で左右の大きさの異なるベルを連打します。
理科の実験でもやった記憶があります。電磁石を使ってチャイムやモーターを作りました。
このベルの形状や材質は、相当な時間を掛けて研究されたのだと思います。さすが電電公社!
高い周波数が苦手な高齢者にもよく聞こえる音だと思います。
ただ、ベルの音色ですが、幸せを感じている頃、その逆の頃、、聞こえ方が随分違っていたように思います💦
電話機の中から回路図が出て来ました。
製造されて今日までの58年間、この電話機の中で眠っていたんですね。ジーン、、
600Aなる文字が見えますので、この電話機は東芝製です。
音声アナログ回線による単機能電話機としてはこれ以上の性能向上は望めない水準で 「完成された電話機」 と言われたそうです。
1969年に「プッシュホン」が登場します。Pushですからいかにも和製英語って感じがいいです!
今日は、久し振りに分解作業やって楽しかったです。
昭和の素晴らしさは、こうやって目で見てその仕組みやカラクリが理解できたことでした。ですからモノづくりも楽しかったです。
勿論、令和の今でも、まだまだ楽しめます!
昭和の原点を思い出しながらモノづくりを楽しみたいです。