【気持ちよく話せているのは、自分の話術が優れているから!】ではなさそうです💦

ためになる話しメモ

タイ在住32年になります、現役サラリーマンのシニアライフビギナーです。
今日は、昔、”賢い人ってこんな人”と感じたエピソードです。

話しを上手に聞いてくれる人っていますね。

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賢い会話への気づき

誰かと気持ちよく話している時、ふと「この人はなんて賢いんだろう」と感じた経験はないでしょうか。以前の私は、そんな時、「気持ちよく話せているのは、自分の話術が優れているからだ」なんて勘違いしていることがありました。後々になってそれが大きな勘違いだったと気づき、じんわり赤面です(苦笑)

むかし上司との対話から学んだこと

その気づきを与えてくれたのは、今では私の会社の社長を務める、当時はまだ執行役員だった上司です。
私が新規プロジェクトのアイデアを説明する場面を例に挙げます。
頭の中ではやる気が燃え盛っているものの、言葉が追いつかず、論理はしばしば飛躍してしまいます。「市場の反応は良さそうですし、コストも抑えられそうなんですけど…えーと、とにかく成功すると思うんです!」というように、成功の定義すら曖昧なまま、もどかしさに囚われていました。
しかし彼は、私の言葉の未熟さを決して指摘せず、じっと耳を傾けてくれます。そして、私が言葉に詰まった絶妙なタイミングで、質問によって「思考の道筋」を照らしてくれたのです。
「不安要素は理解しました。ちなみに、貴方がこの案の『一番の強み』だと感じているのはどの点ですか?」
「この企画の『成功』を定義するとしたら、数字でいうと、具体的にどのラインを達成することになるでしょうか?」
彼の問いかけによって、私は自分自身の口から、曖昧だった部分の答えを導き出すことができました。彼と話すと、いつも自分の考えが対話の前よりも格段に整理され、明確になっていきます。まるで彼が、私のぼんやりとした言葉を、的確な論理構造や洗練された用語に「翻訳」してくれているかのようでした💦

また、私が過去の失敗について語った時も、彼は安易な評価を下すことなく、「その時のあなたには、それがベストな選択だったのだと理解しています」と、私の判断の背景をまるごと受け止めてくれました。この「受容の知性」があったからこそ、私は安心して失敗の本質まで深く掘り下げて話すことができたのです。

これまで色々な上司に出会いましたが、こんな上司に巡り会ったケースは稀でした。これも運だと思います。ただ、その運をしっかり自覚して感謝することが大事ですね。

賢さの正体

これらの経験を通じて、真の賢さとは何かを学んだ気がしました。
それは、自分がどれだけ多くを知っているかをひけらかすことではなくて、自らの論理力や言語化能力を、相手の思考を深め、その人自身に「賢くなった」と感じさせるために使う技術のことのようです。
彼との対話の後にいつも覚える爽快感は、彼が私のために、その知性を使ってくれたからに他なりません。

目指すべき「賢い聞き手」の姿

これからは、この「賢さ」の一部でもいいので、自分のものにしたいです。
その第一歩として、まずは相手の言葉を否定せず、共感の姿勢で受け止める。そして、相手の考えが整理されていないと感じた時には、「つまり、〇〇ということですね」と要約を返すことで思考を助ける、「賢い聞き手」になることに心がけたいと思います。

それでは、明日もいい日でありますように!
Have a Nice Day!